こんにちは。

さかいゆみこです。

前回、音感について書いたので
前にも記事にしていましたが
相対音感と絶対音感について書いてみます。

日本では
「ヴァイオリンを弾くには絶対音感が必要」
と言うことを聞いたことがある人がとても多いと思います。
私もそうでした。
ですが、私は絶対音感はほとんどありません。

『ほとんど』と言うのは
さすがに25年弾いて、指導もしてきたので
なんとなくの絶対音感はついてるかな…と言う感じで
トレーニングすれば大人からでもつけれます。

絶対音感はないけど
音楽を本業として全く問題もなかったです。
昔はこのことに大きな劣等感もありましたが
いろんな方とのご縁の中で
東京藝大卒の知人やヨーロッパで知り合った演奏家たち
絶対音感のない人もいました。
その人たちからすると
「あるから何?」
「あってもなくてもいいんじゃない?」
と言う反応がとても意外だったんですね。

結局、相対音感を磨いていかないと
正しい音程に辿り着かないので
特に弦楽器は基本的に誰かと一緒に弾く楽器なので
そう言うことだと思います。

誤解されやすいですが
私は絶対音感を否定してるのではありません。
あれば耳コピもすぐできるし
難曲、近現代の曲の譜読みはすごい楽だとも思います。

ただ、絶対音感と一言で言っても
例えば「ラ」と言う音に対して
人それぞれ思ってる音程が違ったりします。
Aさんは440Hzだったり
Bさんは442Hzだったり
Cさんは444Hzだったり
結構曖昧なんですね。
1人で弾く分にはいいのですが(ほんとは良くないけど…)
誰かと弾くとなった時に相対音感がないと音程の調整が難しいのです。
小さいうちに音の基準値が固定されてしまうと
後から修正するのに苦労してる人もいます。

15年以上前の大昔のことなので書きますが
他のお教室から移ってきた「絶対音感がある」と言う子がいたのですが
基準値が低くてピアノ(調律済)と弾いた時にやはり音程が低めだったのですね。
でも本人はそれがあってると思うので
本人が相当意識しないといけないし修正するのに苦労してました。

①音程を周りに合わせること
②調によって同じ音名であっても音程の取り方が変わること
③誰と、何を、弾くかによっても音程の取り方が変わること

②③は少し高度になるので
いつかみんなもできたらいいなと思いますが
弦楽器の演奏上では必要なことです。

双方にメリットもデメリットもあるので
指導の上でいろいろと感じてきたこともあり
長い目で見ても
私のヴァイオリンのレッスンでは相対音感が優先です。

レッスン過程の中で絶対音感がつくこともありますが
普段の練習を補助してくれる、あれば便利なツールとなればと思います。